<便利な鑑定士の小道具>
ルーペ
宝石用のルーペは3枚あわせの収差のないものが使われています。単レンズのルーペに比べて高価ですが、一生物ですからいいものを持った方がいいと思います。写真のルーペは10倍ルーペと20倍ルーペです。宝石業者が持っているのは10倍ルーペです。ダイアモンドのクラリティー・グレードの基準が10倍で、ダイアモンドを見たときと定義しているから都合がいいのです。また、写真の20倍ルーペですと焦点距離が短くなり使いづらいです。20倍のほうがよく見えるだろうと思いがちですが、10倍のルーペのほうが断然便利です。
セーム革
クロスで鹿皮のものを「セーム革」と言います。宝石に傷をつけずに汚れや油分などをを拭き取ります。宝石を検査する前に宝石の汚れを取り覗いてから顕微鏡、ルーペで検査します。汚れた時はぬるま湯で石鹸を使いよく洗えば再び使えます。完全に乾く前によくもみほぐすと柔らかくなります。
シリコンクロス
セーム革はカラーストーンの汚れを取り除くために使用しますが、『シルコンクロス』はダイアモンドの汚れや油分などを拭き取く時に使用します。シリコンがクロスの中に含まれていますから、検査する前のカラーストーンを拭くのは避けたほうがいいです。
ダイアモンドを検査する前に汚れを取り覗いてから顕微鏡、ルーペで検査します。ダイアモンドをシリコンクロスの間に挟み、シルコンクロスごとダイアモンドをつかみ、ゴシゴシすると汚れが好く取れます。汚れが取れにくくなるとクロスの交換時期です。
ポインター
この『たこ焼き』に使う道具は、ポインターといいます。顕微鏡を見ているときゴミかインクルージョンか判断が出来ないときなどちょっと突きます。また、ピンセットで宝石をつまんでいる時、他の方向を見たいときにこのポインターを使って、宝石を回転させます。
指で宝石を回転すると指紋がつくからです。
仮 枠
鑑定士が使うより宝石店(小売)さんがよく使います。この道具に宝石をつまみセット状態の雰囲気をみたり、宝石をみたりします。
ピンセットだと少し熟練がいりますが、この『仮枠』は使用が簡単だから便利な小物です。
ツイザー
1. 宝石をつかむのに使います。 2. ひろげます。 3.つかみます。
宝石用のピンセットはしっかりしています。自分の握りに合う物を選んでください。慣れないうちはダイアモンドをはさんでいて、よく飛ばします。数メートル飛ばした生徒さんもいました。高価で贅沢な大会はピンセットでどれだけ遠くにダイアモンドを飛ばす競技だと思います。
ノギス
宝石の寸法を測る道具です。
もろい宝石もあるので慎重に・・・
マイクロメーター
宝石の寸法を測る道具です。0.01㎜まで測ることができます。
もろい宝石もあるので慎重に・・・
レバリッジ・ゲージ(Leveridge gauge)
宝石の寸法を測る道具です。球形の宝石や真珠も簡単に測ることが出来、さらに、芯が立っていますから枠ににセットされているルースも測ることができます。
なかなかの優れものです。
テーブルゲージ
ダイアモンドのテーブル(ダイアモンドカット石の一番大きなファセット面)を測るときに使います。
写真に写っているメモリは1cmです。
0.1㎜までメモリがありますから
0.1㎜以下は目測で測ります。
シャーレー
理科の実験によく出てくるようなシャーレーも宝石鑑定にはかかせません。このシャーレーのなかに特殊な液を入れ下からライトを照らし
宝石の内包物(インクルージョン)を見やすくし確認などをします。
ガラス棒
宝石の検査において光軸の種類、方向を知りたいときに偏光器とともにこのようなガラス棒を用いて調べます。単純な小物ですがあるととても便利な小物です。
ダイアモンドカラー検査台
この小物の本当の名前があったかどうかも忘れてしまいました。仕方がないので私なりにかってに『ダイアモンドカラー検査台宝石』とつけました。 確かな名前がわかればご一報くだされば嬉しく思います。写真のダイアモンドカラー検査台は紙で作っていますが、本来は白い樹脂でちゃんとつくられています
この台の上にダイアモンドをテーブルダウンで置き、ダイアモンドのカラーマスターストーンと比べて、カラーのグレードを調べます。
この小物もあるととても便利です。
宝石用スコップ
メレサイズの宝石をまとめすくうためのスコップです。これが無ければ難儀します。メレサイズの宝石を取り扱っているお店は必ず持っています。