模造宝石の分類
(Imitation Gems)
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宝石の鑑別をするときにその宝石は必ず「天然石」であるという保障はありません。宝石の分類には『宝石名とか鉱物名』の前にその宝石が天然石であるのかも視野に入れて鑑別しています。

宝石の分類は『結晶構造』・『化学組成』によって鉱物名がわかりさらに『色、透明度、特殊効果』によって変種名へと分類されます。ですから通常の分類のほかにもう1つの分類があるわけです。

① 天然宝石
② 合成宝石
③ 人造宝石
④ 模造宝石

もちろん鑑別結果は①~④が記載され非破壊検査でそのほかに記述すべき事柄があれば記載します。

模造宝石ガラスは万能
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模造宝石に『宝石』とつけないで『模造石』と呼んでいいのか難しいところですが、この場では『宝石』の模造という意味で『模造宝石』と呼びます。模造宝石のほとんどは『ガラス』です。

「な~んだ!!ガラスかぁ~」と言ってしまえばそれまでですが、プロでもよく騙されています。なぜならガラスの『データ』は一定ではないからです。混ぜ物によって、データが変わるからやっかいです。天然宝石の場合は、屈折率、比重などほとんど一定です。例えば、検査をする宝石がある天然石の屈折率であったとしても常に『ガラス』でないデータを得られないと“その天然石”であると結果を出せません。

ガラスはいろいろな宝石の模造として出回っています。それは、安価で思い通りの色、透明度(透明石~不透明石まで)が出来るからです。
不透明石であれば『珊瑚』の色だけを似せるのではなく“珊瑚特有”の模様まで似せることが出来るのでなかなかやっかいです。
くれぐれも早合点は禁物です 。

そして、さらに厄介な模造宝石は『張り合わせ宝石』です。

張り合わせ宝石は面白いほどの組み合わせで宝石人の前に現れます。