ガーネット<1月の誕生石>
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ガーネット(Garnet)ガーネットは1つの単独の鉱物ではなく、いくつかの同じ構造の鉱物の総称です。構成する成分によってそれぞれ名称が付けられていますが、実際にはそれぞれの中間のものが存在し、100%純粋に単一の成分のものはまずありません。
このように同じ構造をもちながら、その成分が違い、それらがお互いに置換しあうものを固溶体(solid solution series)と呼びます。ガーネットはその成分によってパイラルスパイト(pyralspite)とウグランダイト(ugrandite)の2つに大別され、その2つが更にそれぞれ3つに分類されます。

パイラルスパイト
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A:パイロープ(pyrope) Mg3A12(SiO4)3
B:アルマンダイン(almandine) Fe3A12(SiO4)3
C:スペッサタイト(spessartite) Mn3A12(SiO4)3

ウグランダイト
D:ウバロバイト(uvarovite) Ca3Cr2(SiO4)3
E:グロッシュラライト(grossularite) Ca3A12(SiO4)3
F:アンドラダイト(andradite) Ca3Fe2(SiO4)3

A、B、Cのガーネットの総称

PYRope,ALmandine,SPessartiteの頭文字をとって、Pyralspite(パイラルスパイト)と呼ばれています。(-iteは石とぃぅ意味)構造式X3Y2(SiO4)3のYの部分がアルミニウムと共通のため、アルミニウムガーネットとも呼ばれていますこのグループは赤味の色が多いため、赤ガーネットとも呼ばれます。

D、E、Fのガーネットの総称

Uvarovite,GRossuSar,ANDraditeの頭文字をとって、Ugrandite(ウグランダイト)と呼ばれています.
(Uvaroviteを省いて、Grandite(グランダイト)と表記することもあります)構造式X3Y2(SiO4)3のXの部分がカルシウムと共通のため、カルシウムガーネットとも呼ばれています。

ガーネットの説明

パイロープ・ガーネット(Pyrope Garnet)

純粋なパイロープ・ガーネットは無色ですがそのほとんどがアルマンダインの影響を受けているので赤味をしています。クロムで着色されたパイロープ・ガーネットは鮮やかな赤色でケープ・ルビー、アリゾナ・ルビーと呼ばれています。
もちろんこのような呼び名は誤称です。

プロの方は特にこのような呼び名は使わないようにしましょう。

アルマンダイン(Almandine Garnet)
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アルマンダイン、アルマンディン、アルマンダイト・ガーネットと呼ばれています。恐らく英語の読み方だと思いますからよみかたに関しては余り気にしなくてもいいと思います。ガーネットにおいて誰もが想像する一般的なガーネットがこのアルマンダイト・ガーネットです。

そうあの『柿の種』のような色合いのガーネットです。でもこのガーネットが無ければ紫色の綺麗なロードライト・ガーネットは存在しません。ロードライト・ガーネットはこのアルマンダイト・ガーネットとパイロープ・ガーネットの混ざり合った中間タイプのガーネットで紫色のガーネットをロードライト・ガーネットといいます。

スペッサタイト(Spessartite Garnet)

スペッサルティン・ガーネットとも呼ばれています。マンガンが入ったこのガーネットの代表的な色はオレンジ系ですが、アルマンダイト・ガーネットが混ざり合うと褐色かかってきます。また、黒色、黄色などの色もあり、黄色系のスペッサルティン・ガーネットはマンダリン・ガーネットと商業上の呼び名があります。

マンダリン・オレンジに色が似ているからつけられた呼び名だと思います。

グロッシュラライト(Grossularite Garnet)
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グロッシュラー・ガーネットは純粋な色は無色ですが一番有名な色は緑色です。サボライトもしくはツァボライトと呼ばれているグリーン・ガーネットです。
オレンジ系のグロッシュラー・ガーネットはヘソナイトまたはシナモン・ストンと呼ばれています。
またグロッシュラー・ガーネットは半透明~不透明の集合体でハイドロ・グロッシュラー・ガーネットと呼ばれているものがあります。
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あまり高価な宝石ではありませんが ヒスイの類似石としてよく利用されています。

産地は主に南アフリカのトランスバール州のため南アフリカ・ヒスイ(ジェード)またはトランスバール・ヒスイ(ジェード)
のフォルス・ネーム(誤呼)で販売されていることがあるので注意が必要です。名前はヒスイでもヒスイに似たガーネットです。

アンドラダイト(Andradite Garnet)
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アンドラダイトには黒色、黄色、褐色、緑色があります。その中でなんと言っても一番有名なアンドラダイト・ガーネットは鮮やかな緑色のデマントイドと呼ばれるアンドラダイト・ガーネットです。黄色系のアンドラダイト・ガーネットはトパーゾライトと呼ばれています。
またマリ・ガーネットもしくがマリグランダイトと呼ばれているガーネットはグロッシュラー・ガーネットとアンドラダイト・ガーネットの混ざり合ったガーネットのことをその様に呼んでいるようです。

ウバロバイト(Uvarovite Garnet)

ウバロバイト・ガーネットは鮮やかな緑色のガーネットですが宝石としてカットするぐらいの大きさの原石はほとんどありません。
残念です。

ガーネットはこのようにガーネット同士が結婚して色々な特徴をもったガーネットが誕生します。まさしく混血です。愛の子です。