<クリソベリルの分類>
クリソベリルには、二つの変種があります。キャッツアイ(猫目効果:シャトヤンシー)とアレキサンドライト(変色効果:チェンジ・オブ・カラー)です。この二つに見られる特殊効果を持たないクリソベリルは、前に色名を付けて「〇〇・クリソベリル」もしくはクリソベリルといいます。
色の範囲は、グリーン、ゴールド、イエロー、ブラウンがありキャッツアイを持つクリソベリルにはこれら全てに色が考えられます。
一方アレキサンドライトは、グリーン~レッドに変色する特殊効果ですから上記に挙げたすべての色はありません。
クリソベリルはアレキサンドライト効果(変色効果:チェンジ・オブ・カラー)とキャッツアイ効果(猫目効果:シャトヤンシー)の二つの特殊効果を兼ね備えるものがあり、これの二つの特殊効果を兼ね備えているクリソベリルをアレキサンドライト・キャッツアイ(写真)といいます。
<ソックリソベリル>
鉱物学的にまだ確立していなかった時代ベリル、クリソベリル、ペリドットはその色合いが近いことから混同されていました。(写真はペリドット&クリソベリル)
クリソベリルの和名は「金緑石」ですが、「金色の緑柱石」を略して名づけられたと思います。すなわち「金色のベリル」を意味しています。
<クリソベリル キャッツアイ(CHRYSOBERYL CAT’S-EYE)>
古来より幸運を招くとされ、身につければ幸せな生涯が送れるというこの石は、シャトヤンシーと呼ばれる猫の目のような美しい現象を示します。シャトヤンシーを示す宝石は他にもありますが、クリソベリルが最も有名であり高い評価を得ています。クリソベリルの種類としてはアレキサンドライトとこのキャッツアイが有名です。
キャッツアイのシャトヤンシーの原因は、結晶の特定方向に美しく並んだ細長い『チューブ』と呼ばれる内容物に光が当たり美しいシャトヤンシーが生まれます。このチューブは非常に細かく、拡大しても雲のようにしか見えません。クリソベリルのキャッツアイが美しいのはこの細やかさによるからなのです。この宝石の裏側は通常、美しいシャトヤンシーを出すためにつや消しにしてあります。
<アレキサンドライトについて(ALEXANDRITE)>
自然光と人工光で変色する効果をチェンジオブカラー(変色効果)といいます。クリソベリルの変種アレキサンドライトは、見事な色変わりを見せてくれます。
チェンジオブカラーを見せてくれる宝石は、クリソベリルの他にガーネット、トルマリン、サファイア、スピネル、カイアナイトなどがあります。
その中でクルソベリルのチェンジオブカラーが群を抜いて有名です。アレキサンドライトとよべるのはアレキサンドライトしかありません。
クリソベリル以外の宝石がチェンジオブカラーを持っても変種名は『カラーチェンジタイプの○○』としかよべないのです。
光源の違いにより色が変わるこの宝石は1830年旧ソ連のウラル山脈で発見されましたが、当時はだれもクリソベリルの変種だとは思ってもいませんでした。ソ連の国旗の色からロシア皇帝アレキサンドルに因んで『アレキサドライト』と名づけられました。クリソベリルって気が付かないでよかったですね。
『カラーチェンジ・クリソベリル』だったら高価な効果がないですから・・・
<産地>
ロシア、スリランカ、タンザニア、ジンバブエ、インド
<お取り扱い>
丈夫な石なのでそれほど取り扱いに黄を使うことなく身に付けて楽しむことができます。
日常のケアは中性洗剤を薄めたぬるま湯のなかで歯ブラシを使ってやさしく磨くと美しさを保てます。