歳月により色が変わるジルコン

ジルコンについてもう少し詳しくお話したいと思います。 普通に見られるジルコンは無色透明なものが多いのですが、実はこれは人工的に熱処理をした結果なのです。(このことも偽者イメージを与えたのかもしれません。よく見かけるジルコンは無色、青ですが、その他に淡黄、黄、褐、赤、褐緑、緑とバラエティに富んでいます。 色については無色といえどもダイヤモンドのようにすんだ無色ではなくなんとなく肉眼で濁っているように見受けられます。

これはジルコン自体に放射性元素を含んでいるため(といっても人体に影響はありません)に起こる現象です。またこの放射性元素を含んでいるために長い歳月をかけ、ジルコン自体の内部のバランスが崩れ特別な光の吸収が起こり、人間の目に先ほど述べた色が確認されます。
(これをメタミクト化と言います) 先程述べた色の順番はその歳月の順です。
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無色→青→淡黄→黄→褐→赤→褐緑→緑 となります。

赤~緑は美しいため宝石としての地位を与えてもらってもいいように思えます。
なかなかユニークな宝石でしょう?ジルコンは。。。

人も。。。時がたてば。。ただ。。。老いて行くだけではつまらないですね。

時がたてばたつほどジルコンのように内面から美しくなっていきたいものです。

心しずかに。。。まろやかに。。まろやかに。。。

*予断ですが、時代と共に内部が破壊されていくわけですから、岩石の年代の測定にもジルコンは利用されています。

ジルコンの割れは地球の歴史を物語る

宝石に割れはあってはならないもので、割れはとても嫌われます。私も確かにそう思いますが、ことジルコンに関しては例外です。私個人のまったく変な考えですが、今まで述べたジルコンの特徴を知れば理解してくれる人も多いと思います。というのもジルコンは年代が経てば立つほど内部が破壊されていきます。従って緑系のジルコンはその最たるものです。
顕微鏡を覗くとその破壊により内部に面白い形の割れが生じています。山形マークあり、鱗片状ありです。ジルコンの山形マークの割れは、宝石の鑑定を勉強したことがある人なら必ず教わる特徴ですが、実際にはなかなか遭遇しません。私はそのようなジルコンに出会った時、嬉しく思い地球の歴史を見ているような気になったりします。

まだまだ話はつきませんがジルコンの名誉回復のために、ご理解いただいたでしょうか?
人には名前負けと言う冗談めいた言い方がありますが、ジルコンはさしずめその逆のような気がします。
風信子と言う心地よい発音を持ったこの宝石は 名前の風信子の『風』のごとく。。。
そんな事どこ吹く風と地球の歴史に時を刻んでいるのかもしれません。

リンク : ジルコンの価格