『スター宝石とは』
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3本の光の帯が交差し、夜空に星のように輝くスター宝石。コランダムを例にとるなら、赤いルビーならスタールビー、青いサファイアならスターブルーサファイア。
その綺麗に光の帯を放つ宝石達ですが、その原因はその宝石達に入り込んだ居候達、宝石の内包物(インクルージョン)ルチルという鉱物です。


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アップで覗いてみると、何か針状のような形です。
次の写真は先程と違う宝石の写真ですが、ルチルの確認がしやすいので見てください。


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一見ばらばらのように点在しているように見えますが、よくみると決まった角度(方向)で、点在していることがわかります。

キャッツの宝石は針状のインクルージョンが横に並んでいます。それに対して光の帯が1本縦方向に現れます。これが1本の光の帯のキャッツアイ効果の正体です。
スター宝石の場合がこの現象が決まった方向3本あります。これがスター宝石の正体です。性質と方向性のマイナスであるインクルージョンが、光を浴びるとルチルの横方向に対し縦方向の光を生み出し、魅力あるプラスの宝石スターに変えた瞬間です。

『スターの素質』

スターサファイア スタールビーはルチルが演出します。ルチルという鉱物はサファイア、ルビーにとってはインクルージョン本来はコランダム(サファイア、ルビー)の透明度を失わせる厄介者の居候です。
その居候であるルチルは細かな針のような形をして、3方向に点在しています。そのあり方は顕微鏡でみるときらきらとした絹糸のようです
私達はその綺麗なインクルージョンをシルクと呼んでいます。
キューティクルいっぱいの綺麗な髪が光を浴びると髪の毛のラインに対して、直角に光のラインが現れます。

コランダムに居候するルチルは。3方向にその役目を務めスターを生み出します。スター宝石には素敵な演出家がいるようです。

スターの条件

1.シルクが豊富にあること
2.カボション・カットであること
3.ライトをあびること

内包物がありキラキラするファセット・カットでないカボション・カットでもスポットライトを浴びると物静かで地味な宝石が見事な光の帯を放ちます。でもみんながみんな素敵なスターではありません。
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宝石のスターにも芸能界のようなスターがいます。スケールのちいさいスターもいれば、すねて横を向いているスターもいます。演出する場所を決めているスターもいます。

例えばこんなスター

写真はルビーではなくガーネットですが、ライトを浴びてもほんの少ししかスターがでません。スターというよりスケールの小さなアイドルです。