フォールス・ネームとは

フォールスとは「間違った」「誤った」という意味ですが宝石の名称にはこのフォールス・ネーム(誤称)がよく使われています。本来の名称はあまり一般的ではないため色が単に似ているとかでより有名な宝石名を用いることが多いようです。その代表はシトリン・トパーズでしょう。 黄色の宝石の代表であるトパーズを巧みに利用しています この名称だとシトリン・クォーツはまるでトパーズであるかのように思ってしまいます。
このように本来の宝石名(鉱物名)とは異なる呼び名は色のイメージと共にその鉱物の産出する国名や地方名をもうまく取り入れていることが多いようです。

例えば・・・

アメリカン・ジェード
シベリア・ヒスイ
台湾・ひすい
中国・ひすい
ニュ-ジーランド・ジェイド
ブリテッシュ・コロンビア・ジェイド(BCジェイド)
これらは全て『ネフライト』につけられた名称です。

特に「中国・ひすい」は中国に観光で買ってきて中国産のひすいだと思ってしまいます。
『ネフライト』だから「ヒスイ」「ジェイド」でよいのではと宝石に詳しい方は思うかもしれませんが本当の翡翠と思い込んでしまう方のほうが多いのではないでしょうか。
ちなみに香港でよく「ニュージェード」と呼ばれ日本人に新しい鉱山で採掘された「ひすい」だと思わず勘違いさせるこのワクワクさせる宝石名はサーペンティンというヒスイとは全く関係のない鉱物ですもはや宝石名ではなく「商品名」なのかも知れませんね。

ヒスイのフォールス・ネーム

ヒスイは他の宝石と違いキラキラ感はなく奥ゆかしさのある宝石なので日本人にとても有名で人気のある宝石です。そんなところの心理をうまく使いたいためか緑色の半透明から不透明の宝石にはヒスイとかジェイドの名称を地名の後に付けているヒスイのフォールス・ネームはとても多くあります。

一般消費者にとっては紛らわしい限りだと思います。
下記はすべてヒスイのフォールス・ネームです。
ご参考くださいませ!!

  1. アメリカン・ジェイド
  2. シベリア・ヒスイ
  3. 台湾・ヒスイ 中国・ヒスイ
  4. ニュージーランド・ジェイド アラスカ・ジェイド
  5. ワイオミング・ジェイド
  6. ブリテッシュ・コロンビア・ジェイド

以上のなんとかジェイドorヒスイのヒスイはすべてネフライトです。
ブリテッシュ・コロンビア・ジェイドはBCジェイドの名称も良く使われています。

トランバール・ジェイド アフリカ・ヒスイ
これはもはやヒスイではなくヒスイとは何の関係も無いグロッシュラー・ガーネットです。

インド・ヒスイ インディアン・ジェイドはアベンチュリン・クォーツ

オーストラリア・ヒスイ 南洋ヒスイはクリソプレーズ

アマゾン・ジェイドはご想像通りのアマゾナイト
朝鮮ヒスイはサーペンティン

以上がヒスイのかわりによく使われる宝石(鉱物)の一例です。
その多くは翡翠に比べればあまり価値の無い宝石(鉱物)達です。