アンモライトの処置
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アンモライトは、宝石ですが『化石』でもあるため強度に問題があります。そのため、様々な『強化処置』がなされています。まず、『トリプレット』『ダブレット』の張り合わせがあります。張り合わせでないアンモライトでも『樹脂含浸』をしています。
この張り合わせでないアンモライトは2つの種類があります。アンモライト層だけの『両面アンモライト』アンモライト層とマトリクスがついたまま研磨した『片面アンモライト』です。
最近は、アンモライトが枯渇しだしてきたのか・・・
綺麗なアンモライト層はしっかりあるのに「マトリクス」が欠けているアンモライトに遭遇します。このようなアンモライトは、耐久性に問題が生じるので解決の方法として、2つのやり方があります。 マトリクスが存在する部分までアンモライト層を研磨する。
穴を埋めて補強する。いわゆる『充填』のアンモライトです。

下記の写真は、先ほど説明したアンモライトのマトリクス部の空隙にを『充填』を施したした加工前と加工後の写真です。

加工前(穴が開いています) 加工後(マトリクスを充填しました)
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綺麗に補強できているでしょう

せっかく産まれて来たのだから削るのはちょっと忍びないのでそのままの大きさで、元気に輝いてくれるようにお手伝いしました。もちろん『充填』は『充填』だからこだわる人には仕方ないけどでもわたしには、ちょっと自慢の出来です。

アンモライトに衝撃が加わったときの欠けです。欠けたアンモライト層が残っていれば写真のような修復が出来ます。

加工前(欠けています) 加工後(アンモライト層を修復しました)
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加工前(欠けています) 加工後(アンモライト層を修復しました)
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アンモライト原石??
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写真のアンモライト原石きれいでしょう!!
でも。。。これ。。。
張り合わせです。
「ええぇぇ~!!」

アンモライトルースではなくてアンモライト原石の張り合わせです。
めずらしいでしょう?

この写真は先程のアンモライト原石を横に向けました。
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張り合わせライン。。。
わかりますか???

本物のアンモライト原石もアンモライト層と母岩のラインはあります。
両者の違いはそこに接着層があるかないかです。

びみょう~。。。でしょう!!
こんなアンモライト原石の張り合わせがあるなんて。。。

『よくも まあ~ 手に入れたねっ!!』 と。。。

じつは。。。 手元に剥がれたアンモライトがありまして。。。
しばらくはそのままにしておいていたのですが。。。
なんか急に愛おしくなり修復しました。


アンモライトの修復について
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処置していない宝石は価値があるのかもしれません。
処置していない宝石は価値がないとはいえません。
処置している宝石を黙って販売することが問題です。

アンモライトは、アンモナイトが誕生したから産まれました。

アンモナイトは、今はもういません。だから、アンモライトは、もう誕生しません。現在、眠っているアンモを起こせばおわりです。
アンモライトは宝石といっても化石ですから、ダイヤモンドのような宝石と違ってとてもデリケートな過去から蘇った宝物です。