<サファイア(SAPPHIRE)9月の誕生石>
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『赤い色』を意味しているラテン語(ruber)が由来の『ルビー』、『青い色』を意味しているラテン語(sapphirus)が由来の『サファイア』この2つの有名な宝石は、『コランダム』というまったく同じの鉱物です。
純粋なサファイア(コランダム)は、無色透明です。無色透明なサファイアにほんの少し「クロム」という不純物が入れば真っ赤なコランダム『ルビー』になり、ほんの少し「鉄とチタン」が入れば『ブルー・ファイア』になります。
とっても不思議で神秘的ですね。色で宝石を分類していた昔、赤い宝石『レッド・スピネル』ももちろん鉱物学的な区別なくルビーと呼んでいました。青い宝石『サファイア』も例外ではなく、サファイは本来『ラピス・ラズリ』を意味していました。

1783年にルビーとサファイアが同じ鉱物であると判明し、
1798年にルビーとサファイアは鉱物名『コランダム』と名付けられました。

サファイアには、ブルーだけでなくグリーン、イエロー、ゴールデン、ヴァイオレット、パープル、ピンク、オレンジ、グレー、ブラック、ホワイトなど多くのカラーが存在します。サファイアの語源は、『青い色』ですが、赤い色のルビー以外をサファイアと呼んでいます。
たんに『サファイア』というと『ブルー・サファイア』を指しますが、現在では、誤解が無いように前に色名を付けて『○○・サファイア』といっています。

<パパラチャ・サファイア>

『パパラチャ』という言葉は、ブルー、イエローというような色の名前ではなく『イメージ』の名前なのでパパラチャの『色の範囲』の定義がややこしくなっています。例えば、「インド洋に沈む夕日の色」とか「蓮の花の色」という表現がなされてきました。しかし、この2つの例えは、時間とともに刻々と色が変化をします。皮肉にもパパラチャの色の基準も時代とともに変化してきました。オレンジ色が、ピンク色がパパラチャ・サファイアと定義されていた時代もありました。現在では、ピンクをベースとしたオレンジ味がかった色とされ、ピンクともオレンジともいえない色がパパラチャの色となりました。
ピンクとオレンジが存在するサファイアはパパラチャではなくバイカラー・サファイアとなります。パパラチャ・サファイアの色が定義されていますが、まだまだ論議されそうです。
コランダムは、純粋であれば無色透明でサファイアの特徴がありません。成長とともに少しの不純物を取り込めば色鮮やかにサファイアの個性を発揮します。出来ればほんの少しの不純物を取り込んで、明るいカラーで輝きたいものですね。