<髪飾り(櫛、笄、簪)>
洋服にはジュエリーが良く似合います。
ジュエリーを身につけて洋服もまた活かせれます。
着物は着物だけでいいです。着物はそれだけで完成品だからです。
着物に似合う装飾品があります。
髪飾りです。櫛(くし)、簪(かんざし)、笄(こうがい)がその代表です。
想像してください。
着物をきた女性の姿を・・・なんの違和感もなく美しいでしょう。
では、もう一度想像して下さい。
見事に結いあげられた日本髪を・・・その想像には自然と髪飾りがあります。
髪飾りがなければその髪形は完成しません。
日本髪と髪飾りは運命をともにしてきました。
現代の髪形はもちろん日本髪を結うのはごく限られた方だけです。
髪飾りは日本髪とともに見かけなくなりましたがその伝統と技術は今でも見ることができます。
髪飾りの材料にも興味を惹かれます。
鼈甲、偽甲(牛爪など)、ガラス、サンゴ、メノウ、象牙、ヒスイ、セルロイドなどがあり更に螺鈿、象嵌、漆塗り、蒔絵などの技術も髪飾りの歴史でみることができます。
言い忘れていましたが、日本の歴史のなかで髪飾りが日常に使われていない時代がありました。
日本女性の髪そのものが「美」とした時代それは、平安時代です。
時の流れとともに新しく生まれるものそして消えていくものがありますが、『美』と感じることはいつの時代も消えません。
櫛(くし)
簪(かんざし)
笄(こうがい)
髪飾りのケース
わたしは髪飾りのケースを持っています。
その髪飾りのケースには『お店の名前』『電話番号』が印刷されています。
電話番号には局番がありません。
印刷されているお店もいまはありません。
そこで元NTT・『電電公社』に勤務されていた年配の方にいろいろ教えて頂きました。
<笄と簪そのケースの時代>
- 1904年 : 東京 三越開店
- 1915年~ : パーマネントウェブ流行。
- 1923年(大正9年) : 関東大震災。その後、局番ができる。
- 1938年(昭和13年) : 大阪に局番がつきだした。当時の大阪は西区、東区、北区、天王寺を指していた。
順次局番をつけだしたが電話局を作るのに100億かかるためなかなか普及しなかったそうです。
櫛、簪、笄は『パーマネント』の流行とともにすがたを消していき、櫛はおしゃれではなく実用品の時代へと移りました。
私が所有している宝石箱には局番がありません。
以上の歴史を振り返ると昭和13年以降の髪飾りだということが想像できます。