<変色性と多色性>
色が変わる一番有名な宝石と言えば『アレキサンドライト』です。アレキサンドライトは光源の違いにより変色します。この効果を『チェンジ・オブ・カラー』といいます。アンダリュサイトも同じように緑色と赤色に色が違って見えるのですが、アレキサンドライトのような光源の違いではなく、宝石をみる角度により色が違って見えます。これをアレキサンドライトの『変色性』に対して、アンダリュサイトは『多色性』といいます。
見る角度により色が違って見えるということは、カットをするときにそれぞれ違う方向からカットをすれば同じ原石でも、正面から見て赤色のアンダリュサイトと緑色のアンダリュサイトのルースが出来るということです。
アレキサンドライトもアンダリュサイトも同じように赤色と緑色に変わりますが、価格的には雲泥の差があります。ですからアンダリュサイトは『貧乏人のアレキ』なんて不名誉な名前もあります。
わたしは、そんなアンダリュサイトをいっぱい持っています。
<アンダリュサイトの鑑別方法>
ここに2つのよく似た宝石があります。このままでは何かわかりません。でも多分この色の宝石は、あの宝石だろうなと想像がつきます。そこでその宝石の性質を利用してみます。
偏光レンズを90°回してあげると
ほらほら・・・
右側の宝石は真っ赤になりました。
右の宝石はアンダリュサイトです。アンダリュサイトは多色性が顕著な宝石なので、偏光板を90°回転することにより色が変わります。
でしゃばりなあの人も偏光レンズを90°回して見ると・・・
以外と、真っ赤になる恥かしがり屋さんかも知れません。
産地
アンダリュサイトは最初にスペインのアンダルシア地方で発見されたため、その地方の名に因んでアンダリュサイトと呼ばれるようになりました。
アメリカ、ブラジル、スリランカ等で採取されています。