エメラルドは有名な宝石です。エメラルドはベリルの仲間でクロムによって、グリーンの綺麗な色に発色しています。ですからエメラルドを鑑別するときは必ずクロムが入っているかの確認をします。
クロムの確認ができないベリルの場合、宝石名はグリーン・ベリルとなります。
ベリルはその他に無色・ピンク・イエロー・ゴールデン・レッド・ライトブルーが知られています。
そのなかでもエメラルドとともにブルーのアクアマリンは有名です。


エメラルドはグリーンの代表といえる宝石でベリルの名家です。でもいくら名家でもときに変な奴があらわれます。それが『トラピッチェ・エメラルド』です。サトウキビを搾る歯車に似ていることからスペイン語で『トラピッチェ』と名前がつきました。
トラピッチェ・エメラルドは兄弟がいますが、生まれが違うので、ちょっと容姿が違います。コロンビアのチボール鉱山生まれとムゾー鉱山生まれです。歯車を連想するのはチボール生まれの方です。写真はムゾー生まれです。
同じ養分をもらって、同じ構造をしていても環境が違えば、同じようには育たないようです。
宝石も同じなのですね。
トラピッチェ・エメラルドは普通のエメラルドに比べマニアにしか知られていません。人気がないかもしれません。美しさに欠けるかもしれません。変わっているかもしれません。
その存在を知らなければ変な奴かもしれません。産出時に破棄される存在だったのかもしれません。でもその存在を認めてくれる人がいるから存在します。
立派に宝飾品になって自己主張しています。その存在を知って理解してくだされば、良いのかもしれません。
あなたの近くにもそんなトラピッチェ・エメラルドのような仲間がいませんか?
いれば理解することから全てははじまります。