＜ルビーとサファイアの違い＞
ルビーは『コランダム』という鉱物のひとつです。青、黄、紫、無色など他のコランダムはすべてサファイアですが、赤色のものは『ルビー』という名前が与えられています。ではその違いは明確なのでしょうか？
右の写真をご覧下さい。赤色系のコランダムが9つありますがでは鑑別機関でルビーと明記されるのはこの中でいくつあるでしょうか？見れば見るほど赤色の定義がわからなくなってしまいます。赤色と思っていても赤紫かなとか赤橙かなとか紫桃かなと感じてきます。パープリッシュレッドはルビーになってもレディッシュパープルは、パープルサファイアになってしまいます。はっきりわかる色のボーダーラインはあるのでしょうか？
もし仮にはっきりわかる色のボーダーラインがあるとしても、ルビーは紫外線で真っ赤になる性質を持っています。と言うことははっきりわかる色のボーダーラインがあったとしても、紫外線の強い国弱い国では同じ赤色のコランダムでもルビーになったりサファイアになったりするということになります。
右上の写真をもう一度ご覧下さい。あなたはこのなかでいくつのコランダムをルビーとしますか。あなたがいまお持ちのルビーを明るさの違う部屋の中、天気のよい日悪い日の窓の近く場所を変えてご覧ください。ルビーの顔色が違ってみえるかもしれませんよ。
＜インドルビーはサファイア＞
通称インドルビーと呼ばれるルビーがあります。ルビーといっても鑑別ではルビーと表記されなく、恐らくパープル・サファイアと表記されると思います。
パープル・サファイアと言えば聞こえがいいですが、宝石の価値としては低グレードのコランダムです。低グレードのコランダム（サファイア）といってもサファイアはサファイアですから耐久性には優れています。価格的にもお手ごろですからアクセサリーとか彫金用にはありがたい宝石材料です。
写真はその低品質のルビーでカービングされた象です。まさしくインド象です。
写真の原石は 六方晶系のコランダムの結晶です。通称インドスタールビーとよばれている原石です。鑑別では パープルスタールビーになりますが、スターかどうか判りにくいので、先端をカボション・カットにしています。スターは思ったほどくっきりとはでませんでしたが、
でもちょうど親指ぐらいの大きさがあるので、指圧にもってこいのコレクションとなっています。
ウチの嫁さん わたしの親指じゃ～効かないんですよ～
硬くて 硬くて 硬度９で勝負しています。
