色の薄いヒスイ
ジェードと言えばピンと来ない方でも、翡翠(ヒスイ)と言えばほとんどの方が、『ああ・・・』と言うほど有名な宝石です。
有名ですが勘違いも多い宝石です。
ジェード(ひすい)には2つの宝石があります。
ジェダイトとネフライトです。
ジェダイトとネフライトは違う鉱物です。
ジェダイトを硬玉(ひすい輝石)といい、ネフライトを軟玉(角閃石)といいます。
同じジェードと呼ばれていますが、ジェダイトは粒子状の組織で染めやすく、ネフライトは繊維状の組織が密であるためで染めにくいです。
ジェダイトでも組織の蜜なものはもちろん染めにくいです。透明度がよいジェダイトをインペリアルと呼んでいます。
ジェダイトは粒状の結晶の集合ですから、ダイアモンドのように完全な透明にはなりませんが、緻密に結晶が集合していればかなりの透明感があります。
文字を写真にとって見ました。その文字の上に無色のジェダイトを置いてみました。
文字がなんとなく読めるほどの透明感です。
このジェダイトは無色でなく緑色であれば・・・と想像していただければいいかなと思います。
問題は品質のよいインペリアルではなく組織の粗いジェダイトです。
組織の粗いジェダイトをコマーシャルといい組織が粗いため染色処理が容易ですから注意が必要です。
組織が粗いものは外部からの影響で染められてしまいます。
翡翠のコーティング
写真の翡翠のルースはビルマ(ミャンマー)に買い付けに言った業者さんから譲ってもらいました。
「おやっ!!」と明らかに思いますよね。
緑色でない部分がありますから、この部分はわたしが針ではがしました。
一部が剥がれ落ちると
つぎつぎに剥がれ落ちて
こんなになってしまいました。
最初に見たときは『とろ~ん』といい感じだったのですが、顕微鏡で確認してから針ではがしたい衝動にかられ、つい拡大してみると
白い部分がよりはっきりと現れてきました。
剥がれて出てきたのは白色のヒスイでした。
ヒスイと言ってもこの色はあまり価値がありません。
そこでコーティングの登場です。
『とろーん』の雰囲気は充分だせますから
でも容易に剥がれ落ちます。
次から次へと
まるで嘘のメッキがはがれるように
やっぱり嘘は長続きしませんね。
賞味期限のある宝石?は正直に言いましょう!!
一般消費者にとっては紛らわしい限りだと思いますヒスイのフォールス・ネームをご参考に注意をしてくださいませ。