<ラピス ラズリ(LAPIS LAZULI)12月の誕生石>
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ラピスラズリは紀元前のエジプト、メソポタミア時代の装飾品に見られるように永く愛されてきた宝石です。日本でも『瑠璃』として七宝の一つに数えられ珍重されてきました。この名の由来は、ラテン語の石を意味する『ラピス』、青を意味する『ラズリ』から来ています。この石によくある金色の内包物は一見、「金」と思いがちですが実は黄鉄鉱という別の鉱物なのです。石全体が一様に紺青色を持つものは希少性があり、美しくより高い評価を受けていますが、この黄鉄鉱が入っていることにより金製品と抜群の愛称を見せ12月の夜空に輝く星をイメージしてしまいます。産地としてはアフガニスタンが古い高山で良質なものが採れています。その他にアメリカ、カナダ、ミャンマー(旧ビルマ)などが有名です。

お取り扱い

比較的柔らかい石なので長年使っているとキズつき光沢が失われてきます。その時はお買い求めになった専門でご相談して下さい。

処 理

きれいなブルーが石全体に均一になっているものは少なく、白い斑を持つものを染料で色付けし一様にブルーに染め上げたものがあり注意が必要です。

ラピスラズリの名称

ラピスラズリの名前は少し変わっていると思いませんか?
2つの名前が1つになったような呼び名です。それは、『ラピス』はラテン語で『石』、『ラズリ』は『群青』を意味しているからです。日本では昔、ラピス・ラズリは紫色を帯びた濃い青色の意味と持つ『瑠璃』と呼ばれていました。宝石とは、選ばれた「鉱物」です。ですから宝石には鉱物名があります。でもなぜか鉱物学では、ラピス・ラズリという名称はなく宝石業界だけに与えられた通称です。では、なぜラピス・ラズリには鉱物名がないのでしょう?

ラピス・ラズリの正体

実はラピスラズリは、ひとつの鉱物の結晶ではなくて、ラズライト(Lazurite)、ソーダライト(Sodalite), アウィン(Hauyne)、ノゼライト(Noselit)以上の4つの鉱物の組み合わせであるためラピス・ラズリ単独の『鉱物名』が、存在しないのです。『群青』と『石』の2つの意味からなるラピスラズリは、『群』をなした4つ『青い石』からなっています。
但し、その中心となる鉱物はラズライト(青金石)で、アウィンが入るときれいなブルーになりますラズライトだけが多く存在すれば濃すぎる青となります。このように考えるとラピス・ラズリとはラズライトが中心となり他の3つの鉱物(ハウィン,ソーダライト,ノセライト)の組み合わせによりラピス・ラズリの色がきまる鉱物の集合体であるといえます。

外観

ラピス・ラズリを見ると白~グレーの地に青色の大小の斑点(4種類)が点在し、キラキラと金色のものがよく光っています。白~グレーはドロマイト(カルサイトの仲間でマグネシウムが多い鉱物)で、このドロマイトで、金色の鉱物は『金』ではなくパイライト(黄鉄鉱)です。このようにラピスラズリは、多くの仲間によって成り立っている『宝石』です。ラピスラズリには、『協調』という宝石言葉があります。ラピスラズリを大事に持っているとラピス・ラズリのように気が付いたらら周りに『仲間』がいっぱいいるかもしれませんね 。