合成宝石とは
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宝石学では、天然宝石と同じ化学組成、結晶構造を持ち人工的につくりだした宝石を『合成宝石』とよんでいます。化学組成、結晶構造を持っていても天然に存在しない宝石は人工宝石又は人造宝石と呼んでいます。宝石を鑑別するにあたって類似石とか模造石は屈折率とかのデータの違いにより鑑別はそれほど困難ではありませんが、合成宝石においては同じ化学組成、結晶構造を持っているわけですからほとんどのデータは天然石と変わりません。そのために宝石鑑別に携わるものは合成宝石を出来る限りの手段を駆使し手に入れ研究しその製法の特徴を見極めます。
その為、宝石研究者にとっては天然石と同様にとても価値のある宝石と言えます。


合成エメラルド(飯田孝一標本)
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重量:1.436ct
サイズ:縦約7.8mm 横約5.6mm 深さ約4.1mm
製造者はフランスのL.レンス
初期レニックス(フラックス法)
この合成宝石も鑑別に携わるものにとっては歴史的に貴重な合成石です。しかし、美しい天然宝石を追求するかたにとってはほとんど価値のないものです。


合成エメラルド(飯田孝一標本)
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重量:0.922ct サイズ:縦約6.7mm 横約5.6mm 深さ約3.4mm
年代:1940年頃
初期チャザム(フラックス法)
この合成宝石も鑑別に携わるものにとっては歴史的に貴重な合成石です。しかし、美しい天然宝石を追求するかたにとってはほとんど価値のないものです。


合成ジュネーバ・ルビー(飯田孝一標本)
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重量:1.115ct サイズ:縦約6.1mm 横約6.2mm 深さ約3.8mm
年代:1900年頃
合成ジュネーバ・ルビーとはスイスのジュネーブで最初に製造された製造法で製造されたフランス製の人工ルビーで当時の科学マニアの技師が考案して創作したものといわれています。 【ベルヌイ合成ルビーの作られる前段階の合成石】で、この方法を改良したものが火炎溶融法です。


合成スター・ルビー(飯田孝一標本)
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重量:1.860ct サイズ:縦約7.0mm 横約6.1mm 深さ約4.3mm
年代:1970年頃
ベルヌイ法
ドイツ ヴィーデス・カーバイドベルゲ(ドイツの会社)
タイプII(タイプは色の濃さで分かれています。濃い方がクロムが多い)写真の撮影は自然光にて行いました。スターの出方が弱いタイプの合成石です。


合成スター・ルビー(飯田孝一標本)
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重量:1.626ct サイズ:縦約7.2mm 横約6.0mm 深さ約3.8mm
年代:1970年頃
ベルヌイ法
ドイツ ヴィーデス・カーバイドベルゲ(ドイツの会社)
タイプI(タイプは色の濃さで分かれています。濃い方がクロムが多い)写真の撮影は自然光にて行いました。スターの出方が弱いタイプの合成石です。


合成クリスタル・オパール(飯田孝一標本)
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重量:1.282ct
サイズ:縦約8.3mm 横約6.8mm 深さ約4.0mm
年代:1980年後半頃
製造:京都セラミック


合成ルビー(飯田孝一標本)
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重量:5.622ct
サイズ:縦約11.4mm 横約9.4mm 深さ約5.8mm
年代:1960年初頭
ベルヌイ法
ドイツ ヴィーデス・カーバイドベルゲ(ドイツの会社)


人造チタン酸ストロンチウム(飯田孝一標本)
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重量:1.946ct
サイズ:直径約6.9mm〜7.0mm 深さ約4.3mm
年代:1960年ベルヌイ法 製造:富士チタン
人造チタン酸ストロンチウムはその輝き方から1960年代においてダイアモンドの模造石として登場しましたがいまでは新しい人造宝石の登場で市場ではほとんど姿を見せなくなりました。しかしながら宝石鑑定士にとっては重要な人造サンプル石には違いありません。