<フェルドスパー>
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フェルドスパーの和名は『長石』といいます。それは、結晶が“長い”形をしているのでつけられた名前です。この長い結晶のフェルドスパーは1つの宝石に付けられた宝石名ではなく、グループ(族)の名前です。言い換えれば『家族の名前』であって、個人の名前でないと理解した方がわかりやすいかもしれません。
『フェルドスパーという宝石』をあまり聞いたことがないと思いますが、『ムーンストーン』だったら聞いたことがあると思います。その他にも有名な宝石として、ラブラドライト、アマゾナイト、サンストーンがあります。
フェルドスパーは、カリウムの入った『カリ長石』、ナトリウムの入った『曹長石』、カルシウムの入った『灰長石』、バリウムの入った『バリウム長石』があります。長石は、そのほとんどがカリ長石、曹長石、灰長石が混ざり合って構成されています。そして、構成された宝石がムーンストーン、ラブラドライト、アマゾナイト、サンストーンなどです。
ですから、同じグループなのに見た目がぜんぜん違う宝石が誕生します。
もちろん、その成分にはそれぞれ多少の違いがあります。


『カリ長石』

オーソクレース・・・ムーンストーン(月長石)
マイクロクリン(微斜長石)・・・アマゾナイト(天河石)

マイクロクラインとも呼ばれています。


『ブラジオクレース(斜長石)系列』

ソーダ長石のアルバイト(曹長石)とカルシウム長石のアノーサイト(灰長石)の混ざり合ったグループでその2つの長石の割合により分けられています。(%はアルバイトの比率を記載しています。残りはアノーサイトです。)

アルバイト(曹長石) 90~100%
オリゴクレース(灰曹長石) 70~90%
アンデシン(中性長石) 50~70%
ラブラドライト(曹灰長石) 30~50%
ビトーナイト(亜灰長石) 10~30%
アノーサイト(灰長石) 0~10%


『バリウム長石』

セルジアン(重土長石)


ムーンストーン(MOON STONE)

和名:月長石
ムーンストーンという名前からもわかるようにこの宝石は『月』をイメージしています。よくレインボー・ムーンストーンとかよばれる宝石がありますが名前のイメージから考えると少し「あれっ??」と思ってしまいます。スリランカ産のムーンストーンは光が『ボ~』としていて青を中心にひかりが散乱しています。インド産のムーンストーンは白い光の帯がキャッツになっていたりします。


アマゾナイト(AMAZONITE)

和名:天河石
マイクロクライン(微斜長石)の変種アマゾナイトは青(緑)色と白色が確認できます。青(緑)色はカリ長石、白色はアルバイトです。緑色のアマゾナイトはヒスイの類似石として時折登場します。「アマゾン・ジェード」の名前で出ています♪


アルバイト(ALBITE)

和名:曹長石
曹長石にもムーンストーンがあります。アルバイト・ムーンストーンといいます。オーソクレース・ムーンストーンほど一般的ではないですが・・・


サンストーン(SUNSTONE)

和名:日長石
オリゴクレースで有名なのがこの変種サンストーンです。ムーンストーンが光を散乱しているのにたいして、サンストーンは光を反射しています。レビドクロサイトというオレンジ色の鉱物のちいさな結晶からの反射でサンストーン独特の光学現象が起こります。

リンク : サンストーンとゴールド・ストーンの違い


アンデシン(ANDESINE)

和名:中性長石

フェルドスパーの仲間にはムーンストーンやアマゾナイト、サンストーンが有名ですがそんなに高価な宝石ではありません。でも、アルバイトとアノーサイトがちょうど半分づつ混ざり合ってできた宝石品質のアンデシンはその中でも群を抜いて高価なフェルドスパーです。ジュエリーとしてよりもコレクションにお勧めな宝石です。フルドスパーの成分表は商品の写真をクリックしてくださいね。

リンク : アンデシンの価格と詳細


ラブラドライト(LABRADORITE)

和名:曹灰長石 特殊効果をもつラブラドライトは1770年カナダのラブラドール半島で発見されました。時を経て1940年フィンランドでも発見されました。フィンランド産のラブラドライトは鮮やかなスペクトルから「スペクトルライト」とよばれています。


ビトーナイト(BYROWNITE

和名:亜灰長石


アノーサイト(ANORTHITE
和名:灰長石
ナトリウムの入った『曹長石』とカルシウムの入った『灰長石』が混ざり合った長石は『斜長石(Plagioclase)』グループとなります。アノーサイトはそのほとんどが灰長石(10%~0%)からなっています。