<貴金属とは>
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宝石を語る上で、金属は切っても切れない関係にあると言えます。ほとんどの方は宝石を買うとき、宝石のみ(金属に留められていない裸石のことをルースと呼びます。)を買うことはなく、まず金属に留められている製品としての宝石を買うはずです。私達が普通、ジュエリーとして用いるのは、金、プラチナ、銀ぐらいで、これらの金属は「貴金属」と呼ばれています。

貴金属の定義は、はっきりとは決められていませんが、一般にそれ自体が化学変化しにくく金属光沢を持っている金属のことを貴金属とされています。
貴金属というと前述の3つの金属を思い浮かべますが、一般には貴金属とは

  1. 金(gold、元素記号はAu)
  2. 銀(silver、元素記号はAg)
  3. プラチナ(platinum、元素記号はPt、昔はPmと書いた)
  4. ルテニウム(ruthenium、元素記号はRu)
  5. ロジウム(rhodium、元素記号はRh)
  6. パラジウム(palladium、元素記号はPd)
  7. オスミウム(osmium、元素記号はOs)
  8. イリジウム(iridium、元素記号は|r)

の8種類の金属のことを指します。
時に、これらに加えて銅、水銀などが加えられることもあります。


<合金(ALLOY)>
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ジュエリーで一般的に用いられる金、プラチナ、銀の3つの金属は、100%純粋なものは軟らかすぎて、加工に向きません。このため、これらの金属に別の金属を混ぜたすなわち合金を一般に用いています。
(もちろん、純金や純プラチナを用いることもあります)

例えばプラチナであれば、プラチナ90%にパラジウム10%の合金がよく用いられますし、この合金にはPt900と刻印されます。写真のPt900はホールマークが刻印してあります。

900というのはプラチナの含有量を1000分率であらわしたもので、1000分の900がプラチナであるということを示しています。
(残りの10%の金属がパラジウムであるということは証明していません)


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金合金には、上記の1000分率の他に24分率もよく用いられます。(金において日本では24分率の方が一般的です。)例えばK18と刻印してあれば、24分の18、すなわち75%が金であると言うことになります。1000分率を使って750と刻印されることもあります。K18と刻印してあったら、75%が金で、残りの25%は別の金属ということになります。
通常この残りの金属について記されることはありません。


サンプラチナ(SPM)について
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ニッケルを主成分として、クローム、鉄、アルミニューム、珪素などを含んだ合金です。錆びにくく、粘りがありさらにメッキしなくても光沢があるため眼鏡のフレームによく使われていました。
宝石の枠にはほとんど使われていませんが時折みかけます。 プラチナを使っている少し古い宝飾品の刻印にはによく 『PM』の刻印があり勘違いして『SPM』をプラチナと思っている人もいます。
サンプラチナはプラチナを一切使用しておらず貴金属としての価値は在りません。
金属は宝飾品には欠かせない人類にとってとてもありがたい鉱物ですが人によって、金属と触れると、かぶれや発疹ができる金属アレルギーを発症する方もいるため注意が必要です。